銘柄分析(5020)ENEOSホールディングス いつか来る?石油高騰に怯える前に買っておくべき銘柄

要点まとめ
国内石油元売り首位(シェア50%)
国内の石油製品需要は年率2%前後で縮小が続くが、企業努力で株価ヨコヨコヨ推移中
コロナ禍での巨額赤字のほとんどは在庫評価による損失
配当利回り5%超、自己株買いなど株主還元に積極的
業績のブレが大きく投資のメイン銘柄には向かないが、燃料費などの経費割合の高い自営業は長期保有の価値あり


ENEOSのガソリンスタンドでおなじみの石油大手です。国内の燃料油販売シェア約50%で国内1位。連結売上高は約10兆円。
主な事業はエネルギー事業、石油・天然ガス開発事業、金属事業の3つですが、コア事業は石油精製販売・化学品のエネルギー事業で約8割を占めます。

赤字

新型コロナの影響で石油製品の需要減から原油価格が大きく下落しました。20年3月期決算は前年度比1兆1,178億円の減収となり、最終益も-1,879億円と巨額の赤字となりました。赤字の最も大きな原因は原油価格の大幅な下落による在庫評価の損失によるものです。
原油価格や石油製品のマージンに翻弄されるのは石油元売の宿命です。

原油価格

原油価格 ENEOS参考資料より引用

財務は心配するレベルではない

巨額の赤字ということで財務を心配されがちですが、赤字の原因は在庫の評価損です。20年3月期決算の在庫影響を除くと実質営業利益は967億円です。
有利子負債が多く、有利子負債倍率も1を超えてきましたが、剰余金が9,467億円、自己資本倍率29.1%とまだ心配するレベルではないと思います。
原油価格も底を打ったように見えますから、黒字転換していくはずです。

配当利回り5%超!株主還元が魅力

配当金は1株あたり22円と配当利回りは5%を超えて高利回りです。加えて自社株買いが積極的に行われてきたことは評価できるポイントです。
2020~2022年は当期純利益の50%以上を株主還元する計画です。

値動きの傾向

ENEOS 10年ちゃーと

ENEOS 10年チャート YAHOO!ファイナンス引用

原油価格に連動した株価の推移となります。2018年に高くなっていますが、原油高でした。2018年を除くと400円~600円の間をヨコヨコの動きです。できれば400円を下回ったところで買いたいですね。現在も400円近くになっていますので買い時として悪くないと思います。

自営業なら持つ価値のある銘柄

燃料費や石油原料の資材代が経費に占める割合の高い業種の方など、リスクヘッジとして持つ価値はあると思っています。僕はとりあえずの100株保有ですが。

ここからは全て妄想です。

仮に、投資資金が潤沢にあったとして100万円分買うとすると株価420円計算で2,300株となります。年間配当金合計は50,600円になりますから、特定口座でも1年の配当金で100株買えます(値上がりしなければ)。
ENEOS株にドンと100万円。そして配当金でじわじわ増殖させていく。その勇気と資金はまだ無いけれど、投資資金が潤沢になったらやってみたいと思う投資です。油田を所有している気分にならないかな?
石油会社ということで同じように配当利回りが5%前後の(5021)コスモエネルギーホールディングス、(5019)出光興産に分散させる手もありますね。2社とも同じような値動きです。

もしも石油が高騰したら

いつか起きるかもしれない(ないかもしれない)原油価格高騰で、経費増になって苦しくなってきたら配当金は引き出して使います。さらに耐えられなくなってきたら石油株を少しずつ売却していきます。きっとその時は石油株は値上がりしているはず。
そんなことが起きるとしたら紛争なのかな?起きてはほしくないけれど。世界の産油国ランキングは、1位/アメリカ、2位/ロシア、3位/サウジアラビア・・・そなえておくことが無意味とは思えない各国だとは思いませんか?
妄想終わり。

キャピタルゲインは狙わない、一時的な含み損は無視

長期に見て大きな成長は期待できない業種です。国内の燃料油需要は2%程度のペースで減り続けていくと予測されています。(経済産業省の平成31年のワーキンググループによる予測、新型コロナの影響は織り込まれていない。)
事実、過去10年間では約17%需要が減少しています。脱石油、二酸化炭素排出削減とESG投資が広がる中で石油関連銘柄が伸びていくことは望めません。
キャピタルゲインはあきらめて、株価が長期的に見て含み損になっていなければOKとしましょう。投資のメイン銘柄とはなりませんね。

ETFには絶対に手を出さない

東証には原油指数に連動するETFが3つ上場されています。原油安になると投資される個人投資家も多くなりますが、こちらは原油取引に精通して腕に自信がある人以外手を出すべき銘柄ではありません。

(1671)WTI原油価格連動型上場投信
(1690)WisdomTree WTI 原油上場投資信託
(1699)NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信

信託報酬が引かれていくので長く持つと指数からマイナスに乖離していきます。配当金もありません。短期勝負で使うべきETFで、塩漬けすることもできません。

1671との10年比較チャート

ENEOSとWTI原油価格連動型上場投信の比較チャート10年
YAHOO!ファイナンス引用

ENEOSホールディングスは配当金のプラス分があります。石油の需要が減少しているなかでも企業努力で、新型コロナまでば業績を伸ばしていました。原油という「物」ではなく、会社に投資をする意味がそこにあります。新たな事業にも取り組み立派な会社です。
長期的に年平均5%のプラスが維持できれば投資としては立派な成績です。投資を検討するに値する銘柄だと思います。
運輸株を持っている方も原油高での下落にそなえてポートフォリオの分散で少なめに保有しておくのもありですよ。